• 大いたち橋・小いたち橋

    いたち川プロムナード沿いの区中心施設である、区役所・スポーツセンター・公会堂と対岸の柏陽高校との間に中州を挟んで架橋された大小2橋の人道橋の計画である。 橋のデザインモチーフとデザインストーリーをいたち川の「いたち」から導き出すという設定条件のもと、大いたち橋(大きい橋)の親柱をいたちの頭と尾、高欄を胴体に、又、小いたち橋(小さい橋)の親柱を青年いたち、子供いたちに見立ててそれぞれの橋の親柱を彫刻家の井上麦氏が制作担当した。 大いたち橋と小いたち橋の間の中州の広場には、このいたち家族の団らんのためのテーブルを設け、訪れる人それぞれのゲストとして向い入れるという物語も設定した。 子供いたちの親柱彫刻はべンチとしても機能し、子供が腰掛けることができるように出来ている。
  • MM21新港地区緑地景観計画

    横浜港の新港地区は、「赤レンガ倉庫」をシンボルとするミナト情緒の豊かなところで、港湾機能の再編に伴い、市民に開放された魅力的ウォーターフロントとすべく「みなとみらい21計画」の一翼として再開発がすすんでいる。 本調査は、この昌代の地区の水際線を縁どるように配置された緑地について、海側からの視点も含めて景観的な資質のひきだしを再検討するなどし、設計のガイドラインを策定したものである。 計画の主眼は、周辺につながる公共的歩行者空間のネットワークをつないでいくこと、水際に多彩な活動の場と豊かな緑を配すること、さらに、歴史と港らしさをひきたてるようなデザインをさぐることにあった。 「赤レンガパーク」など6つの緑地の基本計画では、単独の検討を越えて、新港全体のまちづくりに向けた「3つの水に向いたかいわいづくり」に位置づけて提案し、スケッチによる景観シミュレーションをすすめた。
  • MM21赤レンガパーク

    赤レンガパークの設計については、港の象徴である赤レンガ倉庫を中心に、1978年以降検討が重ねられた。そして1988年、『歴史の香りの中に人々の新しいさまざまな活動エネルギーがあふれる港の界隈』を基本理念として基本設計が完了した。その後工事は、約2割程度完成している。その中で次のような計画を行った。 基本設計見直しとしては主に①園地の景観②歴史的資産の保全・活用③設備全般について行った。まず、景観上最も意図したものは、赤レンガ倉庫を引き立たせるランドスケーピングとして、おおらかなスケールの表現である。 そのためにグリッド舗装とした。次に、新たに発見された旧税関基礎の保全・活用のため他に活動的広場に対して、ここを静かなる場と位置づけ、噴霧状の噴水等を設けることで、より演出効果を狙った。また、これに伴い駐車場のスペースが縮小するので、2段目定式駐車場を設置し、よって園内からの景観を考慮し平地下で、樹木で柔らかく遮ることとした。その他、この地区全体の水際線ネットワークに対応した動線計画。そして、今回実施設計の海側休憩施設のあり方については、いくつかのトレリスを配し、その中でいろいろなべンチ、また縁台等を置くことで多様な休憩ができるように計画した。
  • 川口ゴリラ公園

    東京外かく環状道路高架下に建設されたこの公園は、地域づくりの中心的空間を周辺住民に提供するため、住民参加型のワークショップで提案された住民案3案を墓本に、そこに含まれていた機能や景観的配慮を分析しながら計画された。 その結果、高架構造物によって切り取られた光、水(雨)、風等の自然条件を貧欲に取り入れながら、高速道路が必然的に持つ強い軸線を意識することのない空間構成が誕生した。 この公園は、高低差のある人エ芝の広場、BMXサーキット、テフロン膜によって覆われた四阿風の管理棟を中心に構成されている。そして高架不空間の陰の空間は、エネルギーあふれる空間に生まれ変わっている。
  • ベルリンドイツ国会議事堂計画案

    このコンペの目的は、東西ドイツの統合を機してドイツ連邦議会の本部や他の主要な政府機関をべルリンヘ移すための地区マスタープランをつくることである。スプリーボーゲン地区は40年間分断されていた市の各部の再結合を行うための戦略的位置づけを持っている。 ゆるやかなスロープをもつ緑のランドフォームの形成による敷地全体のアイデンティティの確立をテーマとして取り上げた。ティアガルテン公園からの景観を考威した柔らかい緑の丘に見えるヴォリュームは、エコロジカル建築によって構成される。リパブリック広場はゆるやかなくぼみとして再造成する。円型平面をもった中央のランドフォームの一部としてそれを南北に縦断するアトリウムは、鉄道駅と地下鉄駅とを結び、人々の集いの場となる。楕円型状の道路システムは敷地内各部をつなぎ、また敷地外部からの交通を統会する。建築システムは既存市街地とのスケールの連続性を考慮し6mX6mのグリットプランを採用した。
  • 中村冒険パーク

    この公園計画は、住民、行政、設計者の三者が「ワークショップ」を通して共に考え、作業して実現した計画例である。住民が求める公園のイメージは「ワークショップ」により明らかになるが、相反する意見や局部に固執した提案も多数あった。これをひとつの「場」としてまとめるために全体を貫くデザインズトーリーを複数決定し、それを住民にフィードバックし、その結果、選ばれたのが「難破船」のシナリオである。 計画地には、遠くに港が見える丘の上の4段のひな段傾斜地であり、船としての形を擁壁や遊具で構成している。また、「日本丸」などから木物の船具や部品をもらい受けて使用し、フィクションとリアリティ一の間を揺れ動く子供らしい夢の世界を創ることを意図している。
  • 南太田2丁目フレンド公園

    首都高速道路狩場線高架下に建設されたこの児童公園は、横浜市南区南太田地区の街づくりの一環として、企画段階より住民参加型で進められた。付近の南愛児園の保母たちの案を基に、ワークショップにおける住民案3案を分析し、"葉っぱの原風景の再生と砦の建設"を目指した。 敷地の高低差を活かし、上段と下段に各々小広場を設け、両者の間を丸太の斜面にして遊具として活用した。さらに、冒険性の商い複合型ジャイアント遊具を丸太の斜面とに絡めた。幼児用の小型遊具は草地に設置した。高架下で雨の心配が少ないため、上段に板の間広場を設け、戸外の居間としての利用も期待している。 斜面から湧いていた清水によって、小滝とせせらぎをつくり、手漕ぎポンプも設置した。
  • 広島駅前大橋計画

    駅前大橋の景観構成の一つの課題は、駅舎より広場へ出た時に橋がどう見えるかということである。そこで、それ自体広場ともいえる橋の中央に、高さ水面上30mの構造柱である白い塔を配した。この塔は平和都市広島の理想とする未来を指し示すように南西に向かって天に伸び、広島の玄関口にふさわしい平和と希望のシンポルとなる。 夜間には塔の先端からレーザービームが上空に投射される。塔の先端からは橋全体に斜張線が広がり覆い、これによって川の上、下流から眺めたときは透明なピラミッドのように見える形態を備えている。 橋の福は約60mであるが、これを対抗する車道と歩道とにはっきりと分け、中央に二筋、両脇に一筋ずつのスリットを配して、暗くなりがちな橋の下の空間に天空光を入れることを考えた。 手指、照明、舗装などには建築装節的な、単純だが豊かなディテールを用いて、親しみのある表情をもたせた。
  • 千里ヒルズニュータウン

    大阪千里の北部、北摂連山へと連なる大阪北部丘陵地区の開発構想である。 21世紀をめざしたアイデンティティの豊かな、自然環境を生かしたまちづくりを基本テーマに、①自然保全/活用型の開発、②複合型市街地の形成、③都市経営システムの構築、を重点課題として計画を進めた。 西地区(立会山地区)は土地自然システムの保全をめざした渓谷を軸に、周辺に国際学校、情報系大学、企業研究所等が立地する国際性豊かな学術・研究の拠点となるまちづくりを、東地区(佐保地区)は椿山を中心に、芸術系単科大学を束の院に配した芸術・文化のあふれるまちづくりをめざしている。 ともにしゃれた商業施設なども立地する高級住宅地が市街地の母体となる。
  • 㹨川プロムナード

    昭和40年代以降急速に宅地化が進んだ本郷台地区は、昭和60年に栄区として独立した。 区域の中心を東西に流れる抽川は河川改修が進められ、一部ではさらに低水路と高水放を利局した親水整備も行われてきた。 そこで、区の行政中心地区にあたり、河川改修も終了した天神橋と抽川格間の両岸管理用通路を、歩行者中心軸(プロムナード)として整備するものである。 幅員5m程度の内、川側3mを通行帯、民地側2mを桜並木を基調とした植栽帯や滞留空間とする。また、直線的で比較的単調な部分では、通行帯を蛇行させ川岸にシンポル樹を植え、景観に変化を与えている。 舗装材・手指,街灯・ベンチ等は、横浜の郊外生活の場として、自然と調和した都会的センスを念頭においてデザインした。
  • 横浜環状2号永谷地区

    横浜市は、市の都心技能を強化し、郊外部地域の連結を図るために、幹線道路網の整備を進めているが、中でも環状2号棟は最重点路線として位置づけられている。 永谷地区は港南区西部の中心部に屈し、且つ永谷天満宮周辺の貴重な自然と歴史性を残す地域に面している。設計は環状2号線全線とその景観の統一性に留意しつつ、沿道の商業コミュニティ及び住宅コミュニティの整備と自然景観の保全を目的に進められた。 当地区では片側3車線の幹線道路であるが、両側の側道と歩道用地を一体的に利用して地先の利用に供する路空間として整備を図った。沿道に商業、業務型施設が立地する部分では、歩車共存型の道路とし、住宅が立地する部分では 広福員の広場的な歩道としている。
  • 大岡川プロムナード

    大岡川は南区の中心部を貫いて流れ、横浜港に注いでいる。この川の沿岸には区の主要な公共施設や商店街があり、川にまつわる多くの歴史とともに人々の意識の上でも区の中心軸になっている。 潤いのある快適な散歩道として河辺の空間を再生するとともに、水と緑の軸として周辺市街地環境整備の契機となるよう、この川沿いにプロムナードが計画された。これはまた山下公園から大通公園を経て、横浜の中心市街地である大岡川デルタを貫く「緑の軸線構想」の延長上に位置づけられるものである。 川沿いの車道を一方通行化し、可能な限り歩道を広げ、透水性レンガによる舗装を行い、桜並木を前線にわたって復活した。更に各部にシンボル樹や、各季節の花木で演出したベンチ付きの植栽桝を配して楽しさを作り出している。 また照明や手摺は、これらに調和するように日本の伝統的意匠を基調としながら、現代的な感覚を加えたデザインを心がけ、格子、ぎぼし、障子等をモチーフとして採用して人々の歩行のリズムに訴えかけるようなパターンで構成した。(横浜第1回まちなみ景観賞、1986年)
  • ESCAP地域16都市の調査

    本調査はアジア太平洋地域の都市が集まって居住環境についての問題を話し合う横浜国際都市会議のために用意されたものであり、各都市の状況を紹介するグラフィカルなサッシとしてまとめられた。 16カ国の16都市について、その現況のみならず、将来計画に関する資料も含まれ、この種の比較検討資料としてはおそらくそれまに存在しなかったものであろう。
  • 横浜市金沢海の公園

    横浜市金沢海の公園は、埋立地の贈背によって失われた自然の海岸線を再生し、市民と海との深い関わりを取り戻す海辺レクリエーション公園として長年にわたって構想が練られてきた。 公園づくりは、変化のある美しい海岸線の創造、潮干狩りのできる人口砂浜の養浜、白砂青松の浜の再生、ヨットや釣りの楽しめる海面の確保、魅力的な海浜レクリエーション施設の整備などを主要なテーマとしている。 埋立てによる園地は、周辺の景観的な焦点を公園内部に引き込み、更に変化のある場をつくりだすよう、自然の海岸の基本的な3つの造形要素である「砂浜」「みさき」「島」によって「内海」を取り囲む構成をとり、造成が進められてきた。 今回の基本計画では、これらの基本的な骨格をもとに、7つのゾーンの性格づけを行い、様々な場と施設の具体的なイメージを肉付けして公園の整備、運営の方法を検討した。 計画内容の主要なものは入り江を利用し、港の雰囲気を醸し出すマリタイムミュージアム、なだらかな芝生の大斜面、ヨットの浮かぶラグーンを囲む野外ステージやジャブジャブ池、ボートをもったみさきのプロムナード等である。
  • マレーシア・ラブアン島開発計画

    ラブアン島(面積96k㎡)はボルネオ島の沖9kmに浮かぶ小島であるが、近年、沿岸から天然ガスが発掘され、それに関連した石油化学工業などが立地して開発への指向が高まっている。 本計画は、こうした背景を踏まえ、西暦2000年に目標をおいた島全体の総合的な将来像を描き出し、開発プロジェクトを調整することを目的としている。各分野の開発計画が、人口や労働力の将来予測、及びそれに伴うインフラストラクチュアや施設整備の要求水準に基づいて立案された。 計画にあたっては、農業や住居の適地解析、人口構造の将来予測(コーホートサバイバル法)交流量の分析にコンピューターによる分析を援用した。 そして、さらに詳細な計画やアーバンデザインコントロールを必要とする地区を呈示した。
  • マレーシア・サパン地区都市開発

    東マレーシア首都コキタバル市の拡張として、埋立地に新都心が計画された。 本計画では1994年を完成目標年度として、後背地の人口動態・交通量・消費等の各種予測をもとに、土地利用、道路ネットワーク、緑地・オープンスペースネットワーク、都市根幹施設システムを提案した。また、町全体の視覚構造をも考慮して、各施設のアーバンデザイン・コントロールも合わせて提案している。 街の中央軸には地方特有のショップハウスを発展させて、全天候型のショッピングモールを提案している。これらの提案はほとんどそのまま市当局の将来方針とされることとなった。