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  • 大岡川プロムナード

    大岡川は南区の中心部を貫いて流れ、横浜港に注いでいる。この川の沿岸には区の主要な公共施設や商店街があり、川にまつわる多くの歴史とともに人々の意識の上でも区の中心軸になっている。 潤いのある快適な散歩道として河辺の空間を再生するとともに、水と緑の軸として周辺市街地環境整備の契機となるよう、この川沿いにプロムナードが計画された。これはまた山下公園から大通公園を経て、横浜の中心市街地である大岡川デルタを貫く「緑の軸線構想」の延長上に位置づけられるものである。 川沿いの車道を一方通行化し、可能な限り歩道を広げ、透水性レンガによる舗装を行い、桜並木を前線にわたって復活した。更に各部にシンボル樹や、各季節の花木で演出したベンチ付きの植栽桝を配して楽しさを作り出している。 また照明や手摺は、これらに調和するように日本の伝統的意匠を基調としながら、現代的な感覚を加えたデザインを心がけ、格子、ぎぼし、障子等をモチーフとして採用して人々の歩行のリズムに訴えかけるようなパターンで構成した。(横浜第1回まちなみ景観賞、1986年)