• 㹨川プロムナード

    昭和40年代以降急速に宅地化が進んだ本郷台地区は、昭和60年に栄区として独立した。 区域の中心を東西に流れる抽川は河川改修が進められ、一部ではさらに低水路と高水放を利局した親水整備も行われてきた。 そこで、区の行政中心地区にあたり、河川改修も終了した天神橋と抽川格間の両岸管理用通路を、歩行者中心軸(プロムナード)として整備するものである。 幅員5m程度の内、川側3mを通行帯、民地側2mを桜並木を基調とした植栽帯や滞留空間とする。また、直線的で比較的単調な部分では、通行帯を蛇行させ川岸にシンポル樹を植え、景観に変化を与えている。 舗装材・手指,街灯・ベンチ等は、横浜の郊外生活の場として、自然と調和した都会的センスを念頭においてデザインした。
  • 横浜環状2号永谷地区

    横浜市は、市の都心技能を強化し、郊外部地域の連結を図るために、幹線道路網の整備を進めているが、中でも環状2号棟は最重点路線として位置づけられている。 永谷地区は港南区西部の中心部に屈し、且つ永谷天満宮周辺の貴重な自然と歴史性を残す地域に面している。設計は環状2号線全線とその景観の統一性に留意しつつ、沿道の商業コミュニティ及び住宅コミュニティの整備と自然景観の保全を目的に進められた。 当地区では片側3車線の幹線道路であるが、両側の側道と歩道用地を一体的に利用して地先の利用に供する路空間として整備を図った。沿道に商業、業務型施設が立地する部分では、歩車共存型の道路とし、住宅が立地する部分では 広福員の広場的な歩道としている。
  • 大岡川プロムナード

    大岡川は南区の中心部を貫いて流れ、横浜港に注いでいる。この川の沿岸には区の主要な公共施設や商店街があり、川にまつわる多くの歴史とともに人々の意識の上でも区の中心軸になっている。 潤いのある快適な散歩道として河辺の空間を再生するとともに、水と緑の軸として周辺市街地環境整備の契機となるよう、この川沿いにプロムナードが計画された。これはまた山下公園から大通公園を経て、横浜の中心市街地である大岡川デルタを貫く「緑の軸線構想」の延長上に位置づけられるものである。 川沿いの車道を一方通行化し、可能な限り歩道を広げ、透水性レンガによる舗装を行い、桜並木を前線にわたって復活した。更に各部にシンボル樹や、各季節の花木で演出したベンチ付きの植栽桝を配して楽しさを作り出している。 また照明や手摺は、これらに調和するように日本の伝統的意匠を基調としながら、現代的な感覚を加えたデザインを心がけ、格子、ぎぼし、障子等をモチーフとして採用して人々の歩行のリズムに訴えかけるようなパターンで構成した。(横浜第1回まちなみ景観賞、1986年)