• 佐用分譲別荘

    現在、兵庫県の西部の山間部に整備が進められている高原リゾートの一角に、戸建別荘として計画され、既に21棟が建殺されている。 階数と規模によって8種類のバリエーションがあるが、どのタイプも外観は片流れ屋根と箱状の簡素な形態にまとめている。空間構成も共通しており、デッキテラスに対し諸室がL型に囲むような平面形をとることを基本とした。 比較的密度の高い建物配色の要求に対して、既に決定されていた敷地割を前提に、眺望と同時に落ち甘きのある戸外生活の場を確保し、また各棟間の適度なプライバシーが保持されるよう留意した。 内部は高い吹抜と暖炉をもつゆったりとしたリビングスペースと、2つの荘室がある。そして、浴室には十分な眺望が取り込まれている。
  • 小規模中庭型集住ユニット

    21世紀に向けて都市型集合住宅の開発をめざした建設省主催の「新都市型ハウジングシステム提案」募集に応えたもので、内部市街地更新型の低層高密集合住宅の新しいかたちを示して いる。 密集市街地にあって小単位で環境を自足して自律しつつ、連担して街区形成をはかるようにゼロロット中庭型配置を、協調建替のシステムをとることで実現している。 街路と通り庭のネットワーク的広がりにより市街地にフレキシビリティをもった公共フレームをつくりだし、都市居住の多様なスタイルや機能複合をとりこみながら、ストックたりえる街区づくりをすすめていくことを意図している。 この提案は優秀賞に選ばれ、ひきつづきシステム実現化のための調査研究がすすめられることになった。
  • 南青山タウンハウス

    商店や事務所ビルの林立する青山通りも、一歩奥に入ると閑静な住宅地になっている。比較的区画の大きなこの辺りでは、代替わりに伴って中層高密化が進行しており、業務、商、住が混在する傾向にある。 そうした中で、ライフスタイルを異にする親子三家族と、貸事務所のためのこの建物は都市住宅の典型と言えよう。 市街地において建物は種々の制約を受けることになる。この建物も北側と東側が道路斜線による制限を受けているが、円弧の屋根によってこの制約に対応している。更に、開口部にも円弧を用いることで、異なる内部空間を持つこの建物に連続性を与え、堅くなりがちな北側の表情を和らげて、玄関周りの雰囲気に参与している。