• 長浜ホール

    金沢区長浜に位置する旧横浜検疫所長浜措置場跡地には、野口英世が勤務した細菌検査室が現存し、その恒久的保存の声が高まりを見せている。また区民利用施設立地の要望も強い。 背後には斜面緑地を背負い、前面には総合公園が建設され、優れた環境的特質も備えている。 そこで、当敷地の利用計画条件を整理し、計画推進の方向づけを行うこととなった。 利用計画の展開に当り"緑陰~集い~場所の記憶"をメインテーマとして、空間形成イメージ、導入施設方針、園地計画方針等を立案した。 そして、公園計画案1案、施設導入案2案をモデルスタディし、より具体的な計画イメージを提示している。 空間形成のイメージとしては、全ての代替案を通じて、①記憶の庭園、漂う歴史の香り、② 大木と緑陰、こもれびとせせらぎ、③緑のフレーム、一つの世界、④細菌検蚕室への焦点、演出された風景、⑤快適な歩行空間、⑥明るい風光、を追求した。
  • イエズス孝女会葉山修道院(改修)

    この建物は大正3年に東伏見宮別邸として建てられたもので、昭和30年頃修道院の手に渡り、信徒の研修、宿泊の場として使われてきた。 しかし、素人目には荒廃の極みに達しており、雨漏りや使い勝手の悪さからこれを取り壊し、コンクリート造で新築したい相談があった。 そこで、横浜国大飯塚教授に依頼して荒廃状況を調査した結果、修理すれば充分長期使用に耐えるという確信を得、修復再生して現代的使用を可能なものにするという方向に計画を修正した。 老朽化した部分を修復しつづ、主として暖房、給排水、防災、等の設備を全面的に改善した。 結果として、建薬としての品格をもち、階高は通常の1.5倍というゆとりのある建物を、坪当り35百円程度のコストで保存することができた。
  • 谷川山荘

    この建物は約140年程前、沼田市内に酒屋の別邸として建てられ、その後現在地に解体移築されたものである。移築後は主に夏期の別荘として使用されていたが、損傷が激しいため、改修工事を行うこととし、併せて冬期の使用も可能にすることになった。 改修に当たっては、太い柱や梁のある居間に残る古い農家土間の雰囲気を残し、その良さを建物全体に高めることを主要なテーマとした。 外壁、屋根等の損傷が激しい部分は全体的に改修し、確執には二重サッシ、外壁や屋根裏には断熱材を施して断熱性能を向上させた。 これまで使用されていなかった屋根裏も、簡易な宿泊が可能な空間に作り替え、大人数での宿泊も可能にした。