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  • 富田邸(京の町屋)

    敷地は京都市の、かつて町屋が建ち並び今もその面影を残す通りに面し、奥行きの深い敷地である。母親および2 人の娘の家族のための3つの住居と、4台分の駐車場とが求められた。 敷地の置かれた文脈に応答しつつ現代の生活にふさわしく環境のよい住居の集合体を構想した。 幸いに容積率を伝統的町屋の120 ~150%に近いものに抑えることが出来たが、法定では400%となっており、このまま放置すれば典型的な町屋地区であったこの地域は伝統的な都市構成を全く失ってしまうだろう。 敷地の南半分に取られたオープンスペースは、各住戸へのアプローチ通路・駐車場・植栽スペースであり、また客室に南からの陽光を提供する。 ファサードは、各階ごとに小庇を取り付けることで外壁の保護と伝統的な街並みとの連続性を強調し、屋根は周辺の町屋と勾配・色を揃え伝統的な屋根主に馴染ませた。 一方内壁,天井は白ペンキ塗装とし、南側に開口部を大きく取り、高窓を設け、明るく風通しのよい内部空間とした。 南側の塀拾いにはカシを列植し、客室から緑が楽しめるようにした。1 階は母親の住居と娘家族の住居へのエントランス、2階と3階は娘家族の住居である。